「温故創新」201009 N557 伊波喜一

ストーカー 法改正へ 結論を GPSの 禁止急げと               

 どんよりした空から、雨が滴り落ちてくる。車道からは、タイヤが水を跳ねる音が聞こえてくる。寒さが一段と増すような気配である。

 GPSを取り付け被害者の車を監視する行為が、ストーカー行為の「見張り」に当たらないとする最高裁判決が出た。

 それを受けて、警察庁は8日、法改正の必要などを議論する有識者検討会を開催することを決めた。 

 GPS機能を使用したストーカー行為では、被害者の車に勝手にGPSを取り付けられてしまう。すると、携帯電話で簡単に位置情報を取得され、つきまとわれる。 

 GPSを使って被害者の行動を把握する行為を、警察はストーカー規制法の「住居などの付近における見張り」に当たると判断した。2014年から20年までに、59件検挙した。 

 ところが最高裁は「離れた場所でGPS機器を使って位置情報を取得することは、見張りに当たらない」と判断した。

 被害者にとって、それがどれほど恐怖と苦痛を伴うものか想像するに余りある。

 昨今、つきまといから家宅侵入し殺害するという事件が、後を絶たない。これは由々しき問題である。 

 早急な法改正と併せて、未遂や危害を及ぼした者には、厳罰を課することが妥当だと思う。