「温故創新」200827 N522 伊波喜一

エゴイスト 民が額に 汗流し 築きし富を 掠め取らんと     

 お隣の韓国で、都市のマンション価格が高騰している。

 2017年の文 在寅政権発足後だけで、5割を超す値上がりとなっている。背景には、教育熱とソウル一極集中がある。 

 韓国は科挙制度の流れが今も残る。一流大学への合格と一流企業への入社競争が、熾烈を極める。

 保護者は少しでも高い教育水準で子弟を教育したいと、国立大学や一流企業の集中するソウル市への転入を渇望する。  

 その韓国ではマンションを複数持ち、賃貸収入や転売で稼ごうとする人を「多住宅者」と呼ぶ。与野党の国会議員90人もこの多住宅者で、国民の反発を招いている。

 似たようなことは、日本でも起きている。五輪特需を見越して、タワーマンションや高層マンションが林立している。

 東京は湾岸地域のような地盤の脆いところに、ウォーターフロントと名付けて乱開発した。そのツケがいつ回ってくるか、案じられる。 

 政府は税収が入れば良いとばかりに、安全・安心・公平の視点を忘れて、建設を認可した。政官一体の癒着体質は、日韓に共通する。 自身の財テクにのみ目を向け、庶民の暮らしに目を向けない政治家や官僚が増えれば、国は滅びる。 

 民は政治を鋭く監視し、審判し、政治家を選出しなくてはならない。政官に丸投げしては、被害と悲哀を被るのは常に民なのだ。