「温故創新」200715 N483伊波喜一

人類の 遺産たらんや 情報は 文化の蓄積 言葉の力  

 この長雨で東北は日中の気温が上がらない。昼でも19度である。例年のこととはいえ、寒い毎日が続く。 

 私達は情報化社会に生きている。100年前は夢の情報機器だったものが、今では実現している。

 例えば、何でも調べられるコンピューターも、今では各家庭にある。どころか、個人でスマホを持っている。半導体リチウム電池の開発で軽量化し、実に多くの情報が蓄えられている。 

 人は文字が出来たことで、口伝えで継承されてきた文化の情報量が圧倒的に増えた。

 さらに保存に嵩張る羊皮紙から、薄くて大量の文字を残せる紙に替わったことで、紙文化が花開いた。

 それが電子媒体に替わり、伝えられる情報量は無限大となった。今では文字だけでなく、絵や音楽、映像も伝えられるようになる。

 一昔前では想像も出来なかったぐらい、圧倒的な情報に私達は囲まれている。洪水のような情報に浸り、それを消費している。 

 情報の蓄積が求められるようになったのは、物と事の意味を慮る言葉というものの価値に気づく社会となったからである。 

 今後、蓄積型・消費型の文化から、どのように価値的・創造的な文化に移行できるかが鍵となる。その座標軸は一国の一人勝ちではなく、人類の共存・共栄にしかないのではないだろうか。