「温故創新」191222 N361 伊波喜一

高齢化 増え続けるか 認知症 幸齢目指した 予防必要

「5年後には、日本の高齢者の5人に一人が認知症になる」。国の発表に驚く反面、人ごとではないと実感する。認知症の要因である中年期の難聴や高血圧、肥満、高齢期の喫煙やうつ、運動不足、糖尿病などは、誰にでも当てはまることである。もう一つの要因である社会的孤立は、地域社会の関わりの薄さや血縁関係の希薄化など、社会構造の変化にともなう現代病である。これらは予防できるという観点から、国として対策の手を打つことが、目下検討されている。 特に社会的孤立は深刻で、一人世帯の増加とコミュニティーの弱体化が、今後加速していくと実感される。乳幼児から学齢期までの子どもの支援、高校までのケアが終わると、後は一人で生き、所帯を構え、老いていく。それが一貫して同じコミュニティーに所属する、ということは先ず考えられない。その都度、いろいろなところでいろいろな人と関わり、世話になっていく。その関わりの密度をどのように上げていくのか。その受け皿を国も私達も築いていかなくてはならない。 職場や地域の人間関係に加え、ボランティアや宗教活動などの価値に、眼を向ける時が来ているのではないだろうか。