「温故創新」191014 N334 伊波喜一

目的と 手段の混同 いつの間に 一度進めば 後に戻れぬ

 AIばやりである。車の自動運転から自動飛行まで、正確無比な運行が謳われ、人知のリスクを回避できるという。昂じて、AI兵器も開発の段階から一気に実用段階のレベルに達している。今のところ、戦争に荷担するという倫理上の課題が開発の歯止めになっている。また指揮官不在など想定外の事態に際して、誰のどのような指示をAIが実行するのか、懸念が表明されている。 AIは過去のデータを集積・解析し、具体策を立てることは出来る。ビッグデータの分析はお手のものである。ただ、これらはあくまでも過去の情報でありサンプリングに過ぎない。未来がどう変わっていくかを、100%当てることは出来ない。つまり、未来予測は万全ではない。言い換えると、安全装置に不安が残ることになる。このような想定外の事態に対して、AI兵器を導入したら、一体どうなるのか。疑念が生じていたり、判断がつきにくい場合にもかかわらず、見切り発車でGOサインを出せば、多数の死傷者が出ることは容易に想像がつく。 手段は目的追求の方法に過ぎない。幸福追求の手段であるAIを目的と混同してしまうと、未来に禍を残す事は自明である。