「温故創新」191019 N335 伊波喜一

コミュ障の 心開いて 道進む 違い認めて 共に生きなん

 コミュニケーション障害を散見することが多い昨今である。人にはコミュニケーションが上手な人もあれば、そうでない人もある。昔も今もそれは変わらない。ただ、今はSNSに見られるように、即返答を求められる時である。曖昧さや優柔不断を嫌い、歯切れのいい・気の利いた即答が好まれる。こういう雰囲気の中では、相手の発言の真意をじっくり確かめたり、せかさずに待ったりすることが極めて難しい。コミュニケーションに課題がある場合には、特にそのことが現れやすい。 ヒトはこの地上に、他の生物と比べて弱く生まれおちてきた。獰猛で危険な他の生きものから身を守るためには、コミュ力なくしては生き延びられなかった。コミュ力の有無が生死を分けた、と言っても過言ではない。この非常時に耕されたコミュ力が平時にも活かされ、今に繋がっている。しかし、非常時と比べて平時のそれは緊張感が異なる。コミュ力が活かされる状況も、異なってきて当然であろう。 情報の波で踊らされる現代人にとり、立ち止まって話を聞いてもらえる時ほど贅沢な瞬間はない。コミュ力を生かすのは、相手の話に耳を傾ける姿勢にこそあろう。