「温故創新」190926 N323 伊波喜一

外からは 見えぬ心の 奥にある 悩み受けとめ 共に進まん 

 ここのところ、FSRに入室する子どもが急増し、心理士と頻繁に相談している。様々な要因で学校から遠ざかっている子どもの奥底に潜んでいることを、ああも考えられる・こうも考えられると話し込み、対策を立てる。 見立て通りに状況が推移することもあれば、残念ながら全てがその通りにはいかないこともある。そういう場合、出発点に戻り、一からスタートする。これは、結構きつい作業となる。しかし、練り直したことが功を奏し、子どもが学び始めたときの嬉しさは、例えようもない。 FSRには若い心理士が多い。彼等の受け持つ子どもやその事例は、相当数にのぼる。その一つ一つに精魂傾けて向きあっている。だから、心理的にも肉体的にも相当な負担である。それでも、黙々と職を全うしているのは、子どもと関わる中でその成長を自らの体感として感じるからであるに違いない。 人は誰しも、自分のために生きている。もがきながら生きている。そのことを否定できるものはいない。しかし、矛盾するようだが、人は誰かに尽くすことで喜びを感ずる生きものでもあるのだ。 筆者自身、利他の心を失わないで生きてゆきたい。