「温故創新」230308 N1190 伊波喜一

晴れの日に 木々の芽らが 膨らみて 門出の旅立ち 皆で励ます

 庭のサクランボが芽吹いている。昨日の暖かさが呼び水となったようで、2~3輪つぼみが開いた。2月半ばには、隣の畑の梅が開花した。寒中の梅である。

 手足が凍える中で、先ず紅梅、続いて白梅が開いた。梅の甘い匂いに、人は元より鳥たちも引き寄せられてくる。神明の森から飛んできたスズメやツグミが、頭を花弁に突っこんでしきりに花の蜜を吸っている。(折角咲いたのに、勿体ないな)と思うが、鳥たちにとっては生きる糧である。必死さも違うというものだ。

 その花弁が先の強風に乗って、風上から風下へと吹き流されてくる。しばらくして、拙宅のサクランボが咲き始めた。

 このサクランボは、長女の小学校入学を記念して植えたものだ。当初はまるで細い棒のようで、育つかどうか危ぶんだものだ。とても実が生るようには、思えなかった。

 植えてしばらくは細いままだったが、やがて幹が太くなり色つやが出てきた。そのうちに人の腕ぐらいになり、今では太腿ほどに育っている。内に秘めた生命力に、圧倒される思いがする。

 FSRの子ども達もやがて、巣立ちの日を迎える。木々が蕾から花へと開き、実を生らすように、子ども達も自身の能力を花開かせ新しいステージに巣立っていく。現実の厳しさにたじろぐこともあろうが、自身に負けず突き進んでいくことを願っている。