「温故創新」191219 N359 伊波喜一

枝落とし 冬備えする 木々の群れ 伸びすぎた髪 刈られたるよう  

 令和の冬は暖冬のようだ。先の木枯らしにも幾許かの枝葉は残り、ここに来てやっと散り終わろうかというところだ。先週、家のサクランボの枝落としをした。結構、枝が横に伸びていて、素人なら目につく枝の出っ張りを切り落としてしまいたくなる。ところが、職人さんはその出っ張りを生かし、むしろそれをアクセントにして全体を上手くまとめている。葉っぱが無くなった枝はゴツゴツした印象を与えがちだ。が、シルエットが生かされていて、そのせいか全体がやわらかくまとまっている。 一方、教育センターに面した公園のケヤキの大木も、枝落としが始まった。何せ高さ12㍍はあろうかという巨木である。木の幹も太く、枝ぶりも長く、これを切り落とすのは容易ではない。上段と中段に分かれて、二人がかりで枝を落とし始めた。木に命綱を掛け、太い幹はチェーンソーで、細い枝はノコで切り落としてゆく。その流れるような手際の良さに、見惚れてしまった。 さて、散髪?!を終えたケヤキの木々は、いかにも寒々として見える。しかし、時来たれば細い枝のあちこちから蕾が芽を出し、膨らみ、やがて緑の葉を覗かせる。 春が待ち遠しい。