「温故創新」240120 N1376 伊波喜一

P券で 慌てて派閥 解散へ 金権体質 国も企業も

 小雨混じりの寒い一日だった。途中から、みぞれ雪に変わった。

 自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる事件で、東京地検特捜部は3派閥の会計責任者を起訴した。安倍派96人、岸田派46人、二階派38人の3派閥で、計180人にのぼる

 各派閥の長は異口同音に、「政治資金収支報告書の多額不記載で、国民、党関係者の信頼を裏切った」と述べている。まるで、自分達は知らなかったかのような言いぶりである。法の目をかすめる行為をしておきながら、厚顔無恥と言わざるを得ない。

 一方、麻生派56人、茂木派53人、森山派8人の3派閥は、解散に慎重な姿勢を崩していない。麻生副総裁は、「党政治刷新本部の中間取りまとめを受けた上で、政策集団として活動していくにあたり、政策集団のあり方を所属議員と相談したい」と述べている。

 今回、解散宣言している派閥の幹部職員らは、逮捕を見送られた。岸田総理は党政治刷新本部を設けたが、これではクサいものに蓋をしているだけである。国民の納得など、得られるわけがない。会計責任者らを略式起訴する現行のやり方は、とかげの尻尾切りに過ぎない。

 もし民間企業ならば、独立性や客観性を元に、第三者委員会で調査するところだ。与党の公明からは、会計責任者だけに罪を被せる今のやり方では生温い、と声が上がっている。連座制にして、議員にも責が及ぶようにと主張している。是非、その案を実施してもらいたい。