「温故創新」231212 N1345 伊波喜一

大揺れに 政界震わす 裏金の 数に奢りの 私腹肥やすか          

 雨に打たれた落ち葉が、アスファルトにぴったりへばり付いている。 

 政治資金パーティー収入の一部裏金化をめぐり、政権の土台が揺らいでいる。今のところ、安倍派「清和政策研究会」が狙い撃ちにされているが、他派閥にも当然、疑惑の目が向けられている。

 自民党国会議員は、現在380人を超えている。その内、安倍派99人(26%)、麻生派56人(15%)、茂木派53人(14%)、岸田派46人(12%)、二階派40人(11%)、無派閥78人(21%)と続く。4人に1人が、安倍派となっている。

 安倍派が今回、争点になっているが、お家事情は複雑である。安倍派の会長擁立をめぐっては、下村氏と塩谷氏の確執が記憶に新しい。両者の跡目争いに、なぜか森氏が嘴を挟み、結果として下村氏は隅に追いやられた。この時点で両者の決裂は明らかで、大所帯の安倍派に目に見えない亀裂が生じていた。

 岸田政権はその大派閥に阿り、寄りかかり、人材登用した。これが、他派閥から羨望と嫉妬とを買わないわけがない。今回、名前が挙がった代議士達の記者への応答を聞いていると、白を切ったり開き直ったりと、およそ公党にあるべき者の振る舞いとは思えない。数の論理に胡坐をかき、「多少のことなら、強い言葉と口調で言い返せば、道理なんか簡単に引っ込む」と思っているのが、横柄さに現れている。

 検察にはどうかこの際、しっかりとお灸を据えていただきたい。