「温故創新」230913 N1288伊波喜一

党内の 派閥力学 第一に 国家の未来 構造変えて  

 空が薄くなった。32℃と気温は高いが、日陰は何とか凌げる。   

 本日、岸田総理は第二次内閣改造と党役員人事を行った。官房長官には松野氏を留任させた。懸案だった国交省大臣には選挙協力を考慮して、公明の斎藤氏を留任させた。19名中11名が初入閣で、その内女性議員が5名を占めた。画期的である。

 肝心の党人事では副総裁に麻生氏(麻生派)、幹事長に茂木氏(茂木派)、政調会長に荻生田氏(安倍派)、総務会長に森山氏(森山派)と、派閥の顔を立てた格好だ。党内で人気の高い小渕氏(茂木派)を選対委員長に取り込んだのは、意味深である。次期総裁候補に意欲を見せている茂木氏を、牽制する狙いが透けて見える。

 茂木氏は衆院小選挙区大阪の立候補者をこれまでとは違って公募で行うなど、地元との確執が取り沙汰されている。選対委員長の手腕を借りなければならないが、上手くいけば小渕氏の株が上がる。上手くいかなければ、茂木派が沈む。どちらにしても、茂木氏への牽制球となることは間違いない。権謀術数渦巻く政治の世界ならではの、風景である。

 岸田総理にはこの国の将来を見据えて、大胆にして活力ある産業構造の転換の推進を強く願う。国力を押し上げなければ、稼げない国家で終わってしまう。それは、沈没を意味する。構造転換できる素材は、いくらでもある。英断で押し進めていただきたい。