「温故創新」211002 N897 伊波喜一

根回しと 忖度政治 いつまでも 変わり映えせぬ 人事ガッカリ

 台風一過、晴天が眩しい。しばらく夏に逆戻りしたかのように、気温が上がると予想されている。暑さが復旧事業の足枷とならないか、心配である。

 自民党役員人事が発表された。岸田政権発足の立役者である安倍・麻生氏に気遣い、細田派と麻生派からの抜擢が印象付けられた。勝負の世界なので、論功行賞は致し方ない。問題は方向性である。一体、誰を見ての論功だろうか。

 二人のキングメーカーに忖度して、総裁選を闘った河野・野田氏は冷遇された。特に野田氏は、「モリカケ」「桜を見る会」の再調査を主張した気骨人である。そのままにしておくわけがない。

 本来なら総裁選は、政策を訴える格好の機会となる。国民の耳目が集まるだけに、党の公約を掲げて政策論争する。国民生活に向けた目線であれば、政策の良し悪しが浮き彫りとなるからだ。

 残念ながら、今回の総裁選は国民目線に立っていなかった。生活者目線を反映する党員票で上回ろうが、議員票で勝敗を決すれば良かったわけだ。だから、相も変わらず派閥が顔を利かせる。

 これでは、政策論争が起こるわけがない。

 生真面目すぎるぐらい政策論争を重ねる公明とは、真逆である。少しは、友党の姿勢を見習ってはどうかと提案したい。

 今回の結果を、国民が衆院選でどう審判するか見届けたい。