「温故創新」230914 N1289伊波喜一

人見つけ お金をかけて 人育て 国家百年 人材育成   

 サクランボの葉が、陽射しを遮ってくれる。緑の影が目に優しい。 

 日本の教員給与が、国際平均を下回った。経済開発協力機構(OECD)の報告によると、36カ国・地域の平均給与は5万3456ドルだった。

 日本は23番目に位置し、4万7349ドルだった。加盟国平均より、6107ドル下回った。1ドル=144円に換算すると、年間87万9千円の開きが出る。最高はルクセンブルクで11万2008ドル、最低はスロバキアの1万9342ドルだった。

 日本における教員の働き方改革は、名ばかりである。教職調整手当を支給し、時間外労働を強いる。働かせ放題である。

 課題のある子どもへの対応が叫ばれる中、相変わらず40人近い規模の授業スタイルである。部活も含めた授業外の他事が、圧倒的に多い。人材を確保しようと本気で思うなら、給料を上げ、授業外の煩事を減らし、働きやすい環境整備に力を注ぐべきであろう。

 企業論理の利潤追求型で人材育成しても、優秀な人材にはなっていかない。教員は人を育てる仕事である。ものに感じ、考え、形にしていくには、個性を伸ばす以外にない。そのような人材は、一朝にしては育たない。促成栽培で人が育つわけがない。3世代100年をかけて、人を育てることこそ肝要である。

 そのための投資を惜しむ日本の政治家は、知見を疑われるであろう。