「温故創新」231106 N1323 伊波喜一

秋晴れの 遅い紅葉 段々に 富士の雄姿よ 巍巍堂々と      

 立冬を前に、娘一家と山梨の新倉山浅間公園まで足を伸ばした。

 平日ということもあり、中央自動車道は空いていた。約2時間で公園に到着した。山あいのせいか紅葉はまだ途中で、木々の葉の緑から茶、紅と色づきの変化を楽しんだ。

 公園には海外からの観光客が、多く来ていた。東南アジアからのツアー客が目立ったが、欧州や米国、カナダからも来ていて、四季の変化に感嘆の声をあげていた。乳児や幼児、小学生も同伴していて、富士山を背景に写真を撮っていた。

 先月末に初冠雪した富士山は、この暖かさと雨の影響で、雪がすっかり溶けてしまっていた。だが、山頂から麓までその容姿をくっきり見せていて、絶好のシャッターチャンスだった。

 日本人にとって富士山の威容は格別なものだが、それは訪日客にとっても同様のもののようだ。富士山登山を楽しむ人もいれば、このように家族連れで遠景を楽しむ人もいて、バリエーションに富む。

 また、1人で旅するバックパッカーも数名見かけた。日本がいかに安全な国か、分かろうというものだ。また、ゴミ捨てをしないなどの美化が徹底しているところも、日本という資源の付加価値である。

 人や自然を大切にし、マナーを守る。これらの公衆道徳は、一朝一夕にして身につくものではない。このような日本の含み資産に、日本人はもっと誇りと自信を持ってよい、そう実感している。