「温故創新」230929 N1304伊波喜一

後絶たぬ 「重大事態」 見逃さず 1人で抱えず 組織で対応    

 一日中、曇り空が続いている。動くと汗が滲み出る。秋よ来い。

 いじめから子どもの心身を守るために「いじめ防止推進対策法」の施行から、10年経った。この間いじめの認知件数は、18万5千件から61万5千件へとうなぎのぼりになった。

 ネットいじめも、9千件から2万2千件へと増えている。この中で「重大事態」は179件から705件へと増え、解決に苦慮している。 

 この30年近く、学校現場にはスクールカウンセラーソーシャルワーカー、スクールポリスなど、教員以外の人的資源が投入されてきた。それなりの効果は挙げてきたものの、根治には至っていない。 

 いじめの要因となるものは、無数にある。人種、宗教、性差、学力、障がいなど、挙げればきりがない。しかし、現今の多忙すぎる学校現場では、生徒同士のトラブル解決にすら人手が足りていない。ここに保護者や地域が絡んでくると、もうお手上げ状態である。

 学校本来の職務である教科指導と生活指導に専念するためにも、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、スクールポリスやスクールロイヤルなど、外部の専門家を取り込み、その専門の知見を活かす時が来ている。

 学校を無防備状態にして、「自助努力せよ」というのは、政治の無責任さの現れである。学校を良くして質の高い教育を提供するためには、人と金を注ぎ込まなければならない。自明の理であろう。