「温故創新」201022 N569 伊波喜一

過去最多 いじめ認知 増え続け 社会の縮図 大人の姿 

 出かける前に小雨がぱらついたが大した雨にもならず、暖かな一日だった。折り畳み傘は不要だった。 

 19年度のいじめに関する、全国の国公私立小中高校と特別支援学校の調査が発表された。それによると、合計61万2496件となったことが、文科省の問題行動・不登校調査で分かった。前年度より、6万8563件増えている。

 この中で、心身に深刻な被害が生じるなどの「重大事態」も723件で最多となっている。 

 いじめの内容は「冷やかしや悪口」が62%で、断トツに高い。高校ではインターネットやSNSでの誹謗中傷が19%と高い。 

 文科省は、教員が積極的にいじめを発見し、早期に介入する方針が定着したと、肯定的に評価している。

 一方で、潜在的な被害が表れたとみて、相談体制の強化を検討している。 

 文科省の施策を受けて、学校はスクールカウンセラーや心の教室相談員など、子どもの心のつぶやきを受けとめる手立てを講じている。しかし、子どもの人数に対する心理職の配置が余りにも少ない。 

 東京都の場合、スクールカウンセラーの勤務は僅かに週1回である。いたずらや意地悪、陰口に対して免疫のない子ども達のために、国は相談窓口を増やし充実させることが急がれる。