「温故創新」211127 N953 伊波喜一

 誰が為 周年行事 行うか 子どもの未来 永久に拓かん                 

 一面の青空が広がっている。校庭の区旗と校旗が、微風に揺れている。木枯らし1号も、出番を遅らせてくれたようだ。

 中野・江古田小学校の開校140周年記念式典が、開催された。コロナ下で感染に配慮しつつ、地域やPTA、来賓の人数制限を行って開催した。

 式典は2部形式で、1部は区長の校長式辞、来賓祝辞、5・6年児童による「お祝いの言葉」と続いた。

 江古田小は明治・大正・昭和・平成・令和と、5つの時代を乗り越えて来た。それはひとえに、地域・保護者の支えがあってのことだ。これまでに、1万4千人以上の卒業生を輩出している。この数字が、学校が存在することの重みを物語っている。

 2部は記念品贈呈、和太鼓の映像、箏クラブによる「さくらさくら」「荒城の月」の生演奏があった。制約された時間と内容の中で、太鼓や箏の音色がことさら胸に沁みた。

 文化や芸術の有難味は、普段意識することがない。しかし、戦争や幾多の混乱を乗り越えてきたその傍には、心を潤すものが必ずある。

 箏の先生曰く「箏の音色が心に沁みるのは、和の楽器だからです」。

 人の心は目に見えない。しかし支え手の心は、いつか実を結ぶ。地下水脈のように流れ、その土壌を潤す。

 その上に学校文化が実を結ぶ日を、これからも応援してゆきたい。