「温故創新」230727 N1240 伊波喜一

想像を フル回転し 楽しんで 絵本の世界 想から創へ    

 朝から猛暑である。大坂の枚方市では39℃を記録した。こうなると、日中出歩くのは危険を伴う。外仕事の方も、用心第一である。 

 ネット環境が充実し、私達は動画に取り囲まれて生活している。勉強も動画で、簡潔に分かりやすく説明してくれる。

 クリックさえすれば、あとは向こう側から説明してくれ、無事に目的地まで運んでくれる。自分で考えなくても、課題から結論まで向こうが考えてくれる。

 むしろ、立ち止まって考えることは、マイナスになりかねない。考えたり立ち止まったりすれば、進行に乗り遅れてしまうからだ。

 一方、童話や物語は間(ま)で成り立つ。静止画像のため、場面から場面への移り変わりは、動画のように細かく描かれない。そのため、場面から場面への展開を、自分でイメージしなくてはならない。

 このため聞き手は、隙間と隙間を自身で想像し、埋めていかなくてはならない。聞き手が思い思いに、想像を膨らませてゆけるのは、そこに間があるからである。間があるから、自由に考えることが出来る。

 読み聞かせは、この無から有を生じさせる格好の機会である。大筋のストーリーは変わらないが、聞き手の一人ひとりが自分だけの物語を創ってゆける。

 絵本には、人生のエッセンスが詰まっている。時間をかけながら、ゆっくり、ゆったり読んでみることを、ぜひお薦めしたい。