「温故創新」230602 N1218伊波喜一

手厚さよ コロナワクチン 6回目 国の保障の 限界来ぬかと 

 コロナワクチン6回目を接種した。今回は65歳以上とのことで、昨年11月以来、6カ月ぶりである。税負担はゼロである。

 それにしても、国の健康保険は手厚い。ワクチン反対派や若者からすると、高齢者に税金を使うのはいかがなものかと思うかもしれない。 

 実際、半世紀前は還暦を迎えることは、人生の大きな節目であった。それ以降の人生は、おまけのように感じられた。60歳以降もやはり働き続け税金を負担する、とは考えてさえいなかった。

 黒沢監督の「生きる」や小津監督の「東京物語」などを見ても、還暦後の人生はそう長くない。今言われている「人生100年時代」などという考えは、当然なかった。老後の保障としての年金制度や医療保険制度の未来は、安定したものに見えていた。国民の負担も、案ずることはなかった。

 ところがである。今ではこの2本柱の土台が、ぐらついてきている。今後も日本社会の雇用形態は、非正規雇用が大半を占めるだろうし、片親家庭も増えるだろう。そのような中で、高齢者の税負担を果たしてどこまで出来るのか、検討すべき時に来ている。

 政府は、税の公平・公正な徴収を標榜している。それに並行して、税の使い道も透明化すべきである。どこに何が、どれだけ使われているのか。軍備や公共事業などで、無駄な予算の使い方をしていないかチェックし、先ず歳出を抑えることこそ肝要ではないだろうか。