「温故創新」230323 N1201伊波喜一

幾度の 戦乗りこえ 営々と 地域に根ざし 学び舎永久に

 霧のように細かい雨が降っている。本日、中野区立江古田小学校の第140回卒業式が行われた。あいにくの雨ではあったが、桜が散らずに残った。卒業生の門出を、祝しているかのようだった。

 体育館は空調設備が整い、壁面も板で覆われている。天井を見上げるとこれまた板張りになっていて、これまでの無機質な鉄骨が剥き出しの天井裏から、温もりを感じさせるしつらえになっていた。

 コロナ下も3年目に入り、今年は少な目ではあるが来賓も招いての式となった。全員マスク着用の原則の中、歌唱以外は卒業生のみマスクを外しての参加となった。喚起を良くして密接な接触を避け、コロナ感染を防ぐ。ここまで、状況が良くなったのだと納得した。

 明治5年の学制発布を受け小学校が開校したが、江古田小も寺小屋がその淵源にある。東福寺がそれで、それ以降連綿と続いてきた。

 その間、日清・日露戦争第二次世界大戦があり、東京大空襲も受けた。愚かな指導者のために、徴兵や銃後の戦いにも首肯せざるを得ない時期が長く続いた。悲惨の極みとしか言いようがない。

 その中を今日、卒業式を迎えられた。これまでは当然の事のように行っていたが、そうではない。様々な状況の中を多くの人の熱意と真心に支えられて初めて、実施できた。そして来年も、近い将来もまた卒業式を行える。このことに、喜びと感謝の念を禁じ得ない。

 学校教育の続くところ、そこには未来への希望が湧いてくる。