「温故創新」211025 N920 伊波喜一

人生の 3分の1 共にする 寝具選びは 人生選び      

 朝から偏頭痛がしている。ここのところの冷え込みで、寝ている時に肩を冷やしたらしい。

 それにしても人は睡眠中、相当に体を動かすものらしい。布団から背中が出ていたり足を出していたり、とても寝相がいいとは言えない。

 そういえば、腰痛を患って寝起きに不自由をきたしていた時には、布団から体のあちこちをはみ出させることはなかった。痛みを増幅させないよう、無意識のうちに動きを控えたもののようだ。

 そう考えると、寝相が悪いのは、体が本来の調子を取り戻そうとしている所作なのかも知れない。

 だから、寒いからといって布団や毛布を重ねすぎると、体の動きが妨げられてしまう。重すぎず軽すぎない布団に出合えた人は、幸せである。

 学生時代に、分不相応なぐらい立派な寝具に寝ていた先輩がいた。4畳半のアパートは、その寝具で占められていると言ってもよいぐらいだった。曰く「人生の3分の1は寝て暮らす。だから、俺は寝具に金をかけるのさ」。

 当時は変人だと思ったが、還暦を過ぎてみると先輩の言ったことが実感できる。寝具にこだわる事は、人生を大事にする事と同じなのだ。

 だからといって、高いものがいいとは限らない。自分に適ったものを選ぶ人こそ、人生の達人であろう。