「温故創新」210906 N871 伊波喜一

限界に もがき苦しみ 挑みなん 超楽観の 姿頼もし   

 久方ぶりに雨が降り止みそうだ。その合間をぬって、家の周りを掃く。根の保水力を越えて、雨が降り続いたせいかも知れない。葉っぱに混じって、花壇の土が雨で流されていた。

 ブルーベリーの実も、相当数散らばっている。梯子をかけて、実を摘む。盛りを過ぎているせいか、熟した実はちょっと触れるだけでポトリと落ちてしまう。

 中には、パクリと割れている実もある。盛夏の弾力に満ちた実の感触を思い出し、夏の終わりを予感した。

 東京パラリンピックが5日、閉幕した。コロナ下での開催について賛否両論あったが、選手達の競技に賭ける姿勢を知れたことが大きい。

 前回のリオから5年もの歳月は、障害と闘う選手達にとって気が遠くなるような年月だったに違いない。ある選手は「(パラ競技の)このスタート台に立てたことが、何よりも嬉しい」と語っていた。

 衰えゆく肉体を敏感に感じながら、その重圧と恐怖に負けずスタートラインに立った選手達は、何を思っただろう。

 イタリアのビオ選手は、両手足がないフェンシング選手である。「自分を信じてハードワークをすれば、やりたいことは何でも出来る」と語っていたのが印象敵だ。

 過酷な現実と困難な現状に屈せず、明日を信じて今日を必死に生きる彼等の姿に、心が奮える。