「温故創新」210907 N872 伊波喜一

観測の 空白域を 埋めなんと 地震津波 迅速に予知    

 雨が降り止まない。秋の長雨の始まりなのか、ひっきりなしに降っている。つい先頃までは35℃近くあったのが、25℃まで気温が下がっている。体調管理に十分、気をつけてゆきたい。

 防災科学技術研究所(防災科研)は高知、宮崎両県沖の海底で、地震津波観測システム「Nーnet(エヌネット)」の設置を進めている。

 何回トラフ巨大地震に備えた海底観測整備の一環で、2024年度にも稼働予定である。 エヌネットは地震計と水圧系を、計1600kmの海底ケーブル2本で接続している。

 これまでは、強い揺れ(S波)の発生前に到達する初期微動(P波)を陸上でキャッチし、地震速報を出していた。

 新たな観測システムでは、P波の陸上到達前に海底の地震計で揺れを捉え、震源に近い水圧系で津波の検知も狙う。

 異常気象は火山の噴火や台風、干ばつや洪水、地震津波など、多くの点で被害をもたらす。

 今後、これらの異常気象が常態化し、南海トラフを始めとする地震津波が起こることが現実味を帯びている。

 実際、自然災害を予知するのは難しい。隙間を埋める予知技術を高めることで、その技術を世界に応用できる。

 ニッチな技術力を、もっと日本は誇って良いのではないだろうか。