「温故創新」210715 N818 伊波喜一

営業の 自由制限 する恐れ お上意識を 捨て去る覚悟 

 シオカラトンボが一羽、飛んでいる。来月は立秋だが、まだ本格的な暑さにさえなっていない。それが、トンボを目にする。これまでの気候が、変わってきているからかも知れない。 

 西村経済再生相の発言が、波紋を呼んでいる。8日夜、酒類販売事業者に「要請に応じない飲食店との取引を停止」するよう依頼した。金融機関に対しても「要請に応じない店の情報を共有」するよう依頼した。 

 いずれも、酒類を提供する店には二重の網の目をかけて、供給源を断とうとする意図が明らかである。露骨な飲食店潰しである。ただそれを、官邸の手を汚さず金融機関と酒類卸元業者にさせようとした。その事に小売酒販売連盟や与党内からも、反発が上がっている。

 憲法22条では「営業の自由」を保証している。酒類の提供禁止には、法的根拠はない。にも拘らず、まるで被告人のように断罪されるのは何事か。

 コロナ変異株や感染拡大の読み誤り、何よりもコロナワクチン供給計画の杜撰さを招いた官邸こそ、身を正すべきではなかろうか。

 それなのに、今回の西村発言のように官邸が法的根拠をないがしろにして要請を強要するようでは、国民に自粛を強いることなど出来ないだろう。

 官邸のあまりの我田引水ぶりに、心配を通り越して不安になる。