「温故創新」210714 N817 伊波喜一

アスリート 生理の知識 確立し 医学の知見 広める人あり 

 ブルーベリーの粒が大きい。甘みも豊かで、驚くばかりだ。肥料も何もやっていないのに、どうしてだろう。今年は網を被せているせいか、小鳥に食われずに済みそうだ。 

 女子スポーツ界では、月経は長く手つかずのままだった。一日に40km以上も走り込むマラソン選手など、肉体を酷使する。その上に激しい食事制限をするため、栄養が行き渡らず、月経が止まる。

 無月経になると、女性ホルモン「エストロゲン」が不足する。エストロゲンは骨を強くする働きがある。無月経になると骨密度が低下し、若い選手でも骨粗鬆症になる。

 骨量は20歳ぐらいで最大になる。だから10代の頃にエストロゲンが長期間低下すると、骨折しやすくなる。 

 また、大会期間中に月経が重なることを嫌がり、月経が来ないことを望むアスリートもいる。トップアスリートの7割弱が月経周期をずらせることを知らなかった、とのデータもある。

 ともすると、人は過去の経験で未来を推し量ろうとしがちだ。

 しかし、エビデンスなきトレーニングは体を痛めつけるだけでなく、心をも壊す。心身のバランスを一度壊してしまうと、元に戻すのは容易でない。恐いのは、指導者も選手もその間違いに気づかず、誤った方法を突き進んでしまうことだ。

 スポーツ医学の知見が、より求められる時代になった。