「温故創新」200103 N364 伊波喜一

ひた走る 東京箱根 10区間 チームでたすき つなぎ合わんと

 第96回箱根駅伝の熱戦が終わった。総合優勝は青山学院大学で、10時間45分23秒の大会新記録で5回目の優勝を果たした。箱根駅伝は全長217㎞の苛烈なレースである。一区間の長さや坂のアップダウン、海風による気温の低下など、通常の走りとは違う困難さがある。この耐久レースに打ち勝つために、どの大学も走り込みやトレーニング方法、栄養バランス、カウンセリングマインドなどを駆使して、選手のモチベーションを高めている。あわせて、チーム一丸となって戦うための目標設定に苦心している。青学の4年生チームはなかなか勝てずに、辛酸をなめてきた。昨年負けた悔しさをバネに、何がチームに不足しているのか、皆で話し合い確認しながら、この1年間走り込みを続けてきた。区間新記録が続出したが、選手層の厚さを感じさせた。 今回初シードを取った創価大の嶋津選手は進行中の「網膜性色素変性症」で、周囲が暗いと見えづらくなる難病を抱えて走った。彼は「障害をもっていて一歩踏み出せない人に、自分の走りで勇気を与えられたと思う」と語っていた。 

 何のために・誰のために走るのか、という原点を持つ人は強い。