「温故創新」210103 N625 伊波喜一

復路来る 箱根駅伝 全力で 最後の力 振り絞るかな          

 車の上にびっしりと霜が張っている。正月三が日は晴天続きである。箱根も快晴だ。 

 箱根駅伝復路の戦いは権太坂など難所を乗り越えて、デッドヒートとなった。10位までのシード権をめぐる攻防は、熾烈な争いとなった。晴天が選手の体温を上げ、苦悶の表情が映し出される。

 伴走車からは、監督の檄が飛ぶ。その一言に選手は奮い立たされるかのように、力を振り絞って走る。 

 総合優勝は駒澤大。10区残り2㎞で駒澤大の石川選手が、創価大の小野寺選手を抜き去った。その差僅か52秒差だった。

 3位は東洋大。前回優勝の青学大は4位となったが、復路優勝となった。シード権を得ることも難しいが、連続優勝することがどれほど難しいか分かる。 

 駒澤大の大八木監督は「2008年以来、しばらく優勝から遠ざかっていたチームに、今回の選手達は入部してきた。いいチームを創るのに苦労したが、3年生がよく頑張ってくれた」と、選手を労った。 

 創価大の榎木監督も、「当初目標としていた3位入賞から2位を獲得できたのは、想像以上の走りをしてくれた選手達のお陰」と労った。

 来年の駅伝に向けてすでに戦いは始まっていることが、言葉の端端から感じられた。 

 出場校の熱い戦いに、心から感動した2日間だった。