「温故創新」210223 N676 伊波喜一

気をつけて 多量飲酒で 乳がんの リスク増えるや 1・74         

 通勤途次に、紅梅の甘い匂いが漂ってくる。公園の白梅は2月頭に咲き始めたが、この紅梅は遅咲きなのかも知れない。膨らんではいるものの蕾はまだ固く、これから開く様子である。 

 愛知県がんセンターは、飲酒量が多いと閉経前の女性が乳がんにかかるリスクが1・74倍になると発表した。

 研究では、全国の30~60代の健康な女性約16万人を、平均14年間追跡した。その内、2200人が乳がんを発症した。

 この実験は、1日の飲酒量を酒に含まれるエタノールで換算する。「0㌘」「0~11.5㌘」「11.5㌘~23㌘」「23㌘以上」の4つのグループに分けて、比較した。

 それによると閉経前の女性では、23㌘以上のグループは0㌘と比べて、乳がんになるリスクが1・74倍になった。23㌘は日本酒で1合、ビール500mlである。

 飲酒の頻度でも4グループに分けた場合、週5日以上飲む人は飲酒習慣のない人より1.37倍リスクが高かった。 

 古より酒は、冠婚葬祭のようなハレとケに飲まれた。日常を忘れ、喜びを増幅し哀しみを癒すものとして、酒は飲まれた。

 日頃ため込んだ感情を吐き出すのに、酒ほどふさわしいものはない。しかし、それも飲み過ぎなければという話である。 

 16万人ものデータを軽視せず、その重みをかみしめてゆきたい。