「温故創新」210203 N656 伊波喜一

免疫の 最前線で 守り抜く 人体不思議 腸内環境        

 冷えると思ったら、戸外に霜が降りている。

 今日は立春。例年は4日だが、3日になるのは124年ぶりとなる。 

 コロナウイルスは、人間の細胞膜の表面にある「ACE2」というタンパク質と結びつき、細胞内に取り込まれる。肺に多く見られるが、小腸には肺の300倍のACE2があると言われている。

 小腸は胃と腸で消化された食物を、吸収する役目をする。

 これらの器官は防御の最前線におり、赤痢菌やコレラ菌といった病原性細菌やウイルスを防いでいる。

 様々な外的と戦う免疫細胞の実に7割が、腸で作られている。この腸と協力し、外敵から守る働きをするのが腸内細菌である。

 一説には1000種類、100兆個とも言われる腸内細菌が生息している。

 腸内細菌を上手に働かせてウイルスをブロックしたり、胎内に入り込んだウイルスを下痢の症状で排泄する。 

 この腸内環境を整えるには、食事や運動、睡眠などバランスの取れた生活に加え、心の安定が欠かせない。 

 現代は勝他の念に駆られやすい。常に人と自分を比べ、焦り・憤る。

本来比べるべきは、今日の自分と明日の自分である。他人ではない。

 目に見えず目立たぬ小腸は、心身共の健康を陰で支える最高の裏方ではなかろうか。