「温故創新」201106 N583 伊波喜一

疫病の 流行った時代 鎌倉の 食生活の 大事さ新た  

 薄曇りの今朝は心なしか暖かい。黄色く色づいたイチョウの葉が歩道に落ち、道端に固まっている。 

 鎌倉時代は疫病が国中に充満した。ワクチンもない中で、当時の人々はどのようにして免疫力を高めていたのだろうか。 

 果物と野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富である。脚気はビタミン不足から起こるし、ミネラルは骨や血液などを構成する。

 例えば、柿に含まれるタンニンには、ウイルスを不活性化する効果がある。ショウガには胃腸の消化や吸収を助け、血行を改善し、免疫力を高めることが分かっている。 

 米・麦・粟などの穀類は雑穀と呼ばれているが、胚芽も丸ごと咀嚼することで、バランスの取れた栄養を摂ることが出来る。イモ類の中でもサトイモ鎌倉時代にはジャガイモやサツマイモはまだ伝来していない)のヌメヌメには免疫力を上げ、粘膜を潤して細菌が侵入するのを防ぐ効果がある。 

 現代は咀嚼回数が600回程度だが、鎌倉時代は2600回もあった。唾液には消化酵素や抗菌成分が含まれているので、噛めば噛むほど口から侵入するウイルスの感染リスクを下げられる。 

 こうしてみると、何か特別なことをするより日日の食生活に気を配って生活することが、いかに大切か分かろうというものだ。