「温故創新」201017 N565 伊波喜一

EUと 自由貿易 どうするか 残り少ない 時間大事に

  朝から冷たい雨が降り続いている。12月初旬並みの寒さとかで、ホットカーペットが心地よい。 

 ジョンソン英首相は16日、EUとの自由貿易(FTA)について発言し、EUが方針を改めない限り、物別れの道を選ぶ意向を示した。ただし、即時交渉打ち切りには踏み込まなかった。 

 一方、EUは年末の協定発効を目指して、英国との協議を数週間続ける方針を決定済みである。残り少ない時間の中で、合意を模索することになりそうだ。

 EUは15日の首脳会談で、交渉は漁業権争いなど主要な懸案の解決に向けた進展が不十分だとして、英国に合意に不可欠な措置を講じるよう求めている。 

 漁業問題では、フランスのマクロン大統領が2022年の大統領選をにらんで強硬論を提案している。

 英仏海峡では過去にホタテの漁獲をめぐって、両国の漁船が衝突、投石した経緯がある。

 ホタテはノルマンディーの名産品である。英国の獲り放題にはさせまいと考えているフランス側としては、安易に妥結出来ない。 

 英国は独立した沿岸国として、漁業権を自由貿易協定とは切り離し、ノルウェーと同様、毎年の交渉によって決定することを求めている。食の確保をめぐる熱い戦いは、これからが本番だ。