「温故創新」200917 N539 伊波喜一

イスラエル 国交署名 歴史的 和平演出 反発招き           

 電車の冷房が肌に冷たい。ここ1週間で長袖を着ている人が増えた。 

 イスラエルアラブ首長国連邦バーレーンの2カ国との間で、国交樹立の文書に署名した。

 トランプ大統領の仲介のもと、ホワイトハウスで調印式が行われた。 

 トランプ大統領は今年1月、中東和平案を公表した。だが、イスラエル寄りの内容にパレスチナが拒否し、和平交渉は決裂した。

 それではと、米国はパレスチナ抜きで和平を演出した。パレスチナが反発するのは必至である。 

 今回の合意内容では、イスラエルによるパレスチナ併合計画が課題となっている。

 イスラエルヨルダン川西岸地区の一部併合を、停止すると発表した。ただしそれは一時的な措置で、中止ではないとしている。 

 加えて、米国によるUAEへのF35最新鋭戦闘機売却問題だ。

 これまで米国は、イスラエルの軍事的優位を保つため、UAEには売却してこなかった。

 しかし、UAEがイスラエル並みの軍備を備え、イスラエルとの同盟関係が増せば、パレスチナとの軍事バランスが崩れるのは必至である。それは、中東に戦争の危機が増すということである。 

 自国優先主義で、事態の重要さを全く理解していないパーフォーマンス外交の未来は、極めて厳しい。