「温故創新」191212 N357 伊波喜一

何のため 誰のためのか 治安維持 顔認証の 導入怖し

 顔認証システムをめぐって、世界中を巻き込んで賛否両論沸き起こっている。明年の東京五輪ではスムーズに入場できるよう,入場者の顔認証登録を予めしておく。そうすることで、入場の可否だけでなく、テロ対策など安全面での効果も期待されている。お隣の中国では治安維持や防犯対策の面から、徹底した管理システムを既に導入している。これらは、セキュリティ対策であると同時に、デモや集会を察知し未然に防ぐなど、国家に都合の良い管理社会を招いている。これらの危険性に対して、スウェーデンはプライバシー保護の点からその導入に反対している。 情報は入出が鍵となる。いったん入力した情報は消えない。その履歴はどんどん増え続け、個人や家族、社会や団体の嗜好や傾向、思想・信条までもが握られてしまう。それは管理する側にとって、圧倒的優位に立つことである。だからこそ、情報の使われ方については、目的や用途を明確にして、目的外使用の罰則化を明確にしていく必要がある。 情報化社会の便利さに一度浸ると、そこから抜け出すことは出来ない。顔認証システムの行き着く先を、冷静に見極めていかなくてはならない。