「温故創新」 191013 N332 伊波喜一

経済の 成長なくして 幸せは ないとホントに 言えるのか 

 スーパー台風19号は、自然の猛威をまざまざと私達に見せつけた。河川の氾濫、土砂崩れ、高潮、竜巻などレベル5特別警報(大雨)が出され、数万人が一時避難した。陸・海・空の交通は完全に麻痺した。自然を意のままに人はコントロールすることが出来る、と資本主義は謳っている。だが、自然を侮ると猛反撃を食らう。

 21世紀はテクノジーの発達が、人智を超えるのではないかと言われている。経済が成長してテクノロジーが発達すれば、生活はますます便利で豊かになり幸せになる、と信じられてきた。スマホのアプリで好みの品を手に入れられる。店まで行って買ってくる必要すらない。指一本で買える幸せ。まさに、テクノロジーの恩恵だ。         

 ダニエル・コーエン氏は「幸福の追求とは、快楽の『ランニング・マシーン』のようなもの」「それに乗って走りだすと、どんなに走り続けても常に出発点に位置し続ける」と言っている。それを手にするまでは幸せを感じるが、手にした瞬間から消え去ってしまう儚い幸せ。残念ながらこれは、刹那の喜びである。発想を変え、他を利する利他の発想に立ち返るときが、来ているのではなかろうか。