「温故創新」190916 N313 伊波喜一

国造り その前にある 人作り 尊重せずして 人は居着かず

 青梅街道沿いの建物が取り壊され、更地になっている。地ならしにブルドーザーを運転しているのは、外国人である。瓦礫などを積んだトラックを運転しているのも、外国人である。工務店なども高齢化が進み、後継者に困っている親方が多い。そんな中、外国人が中心となって働いている場面を目にする。拙宅のガラス戸を交換した時にも、差配していたのは外国人だった。流暢な日本語で的確に指示していた。 東京オリンピックを控え、建設や農業の人手不足を背景に、外国人の新在留資格を設ける入管法が改正され、今年4月に施行された。在留資格として「特定技能第1号・2号」が創設された。ただし、在留期間が3年~5年と短い上に、家族の帯同も認められていない。分野も介護・ビルクリーニング・建設・造船・農業・漁業・外食業など、日本人の就業が滞っているものである。

 一体、祖国に家族を残したまま10年も20年も、異国に長期滞在しようと思う者があるだろうか。外国人をその場限りの重宝な労働者として扱うのであれば、定着は望めない。民族は違っても人として遇していく姿勢を示していくことが、国には求められている。