「温故創新」190917 N314 伊波喜一

日本の 盛衰の如(ごと) 波乱あり 夏から秋へ 季節変わりて   

 台風15号の爪痕が色濃い。1週間経っても、千葉では11万戸の停電が続いている。ボランティアや支援物資送付など、自身の出来るところから応援していきたい。 人生はよく青春・朱夏・白秋・玄冬の四つの時期に例えられる。少子高齢化・天変地異・多事多難な世相を見ると、日本は朱夏を過ぎ白秋へと移ろっているようにも感じられる。確かに、高度経済成長期やバブル期の右肩上がり時代を基準とすれば、今この時期は右下がりになっていると言えよう。 

 しかし、地球の資源は有限である。その限られた資源を食い尽くしてしまっては、元も子もない。そう考えると、拡張・拡大という右上がりの幻想は、見つめ直す時期に来ているのではないだろうか。

 筆者の子ども時分に、鉄を量りで買う鉄屑屋がいた。当時、ペットボトルはまだなく、ジュースは瓶や缶に詰められていた。その容器を回収するのが鉄屑屋だった。限られた資源を有効に活用する生活を、ついこの前までしていたのだ。 ヒトの欲望には限りがない。その生活と袂を分かち、身の丈にあった生活を創り上ていく。このようなライフスタイルのあり方が、白秋の醍醐味とは言えまいか。