「温故創新」190915 N312 伊波喜一

百歳を 越える人数 七万に 健康寿命 保つは難(かた)し

 敬老の日を前に、厚労省は全国の百歳以上の高齢者が7万1238人と発表した。その内、女性が88%を占めた。平成の始まりである1989年には3078人だったのが、平成の30年間で23倍となった。急激な高齢化現象と言えよう。こうなると、従来までの考え方を改めていかざるを得ない。 国の安定度を実感するのが教育と医療、老後の充実である。例えば、今までは教育も医療も蓄積型で良かった。蓄積型は未来志向で、未知に備えどれだけ知識を蓄え・活用していくかに焦点がしぼられる。「学べや学べ」である。  超高齢化社会で求められるのは知識の量でなく、知識の活かし方である。これまで学んできた一般論としての知識を、どう自分の健康維持に応用していくか、健康寿命へとつなげていくか、一人ひとりが個別化を図っていかなくてはならない。それだけ、手間暇がかかる。今まではインプット中心で良かったが、これからはアウトプットのあり方が問われるのだ。 明治の開国以降、日本は情報を取り入れることに主眼を置いてきた。しかし、直面している超高齢化社会の手本はどこにもない。日本独自にその案を創出する時であろう。