「温故創新」190908 N308 伊波喜一

人知越え どこまで行くか AIの 歯止めかけたる 哲学あるや

 人工知能が人間を越えるまで技術が進むことを、シンギュラリティーと呼ぶ。そこから派生して、社会が加速度的な変化を遂げることを指す。人間の認識力や判断力、行動力には複合的な要素が幾重にも組み合わさっており、そう簡単にシンギュラリティーは来ないと考えられていた。だが、どうもそうでもないらしい。 ビッグデータの及ぼす影響は想像を絶する早さと複雑さで増殖し、人間の知を凌駕している。結果、人間はAIに全てをコントロールされるということになる。 インターネットなどのデータによって、一昔前とは比べものにならないぐらい、私達は情報の恩恵を受けている。その便利さと引き替えに、人間がAIの僕(しもべ)となる。まるで、SFの世界である。 有史以来続いてきた万物の営みが歴史である。生命は、生成・安定・崩壊・空に戻るという4つの過程をたどる。AIはそれらの過程を飛び越え、ゲノム編集などにも容喙する。なぜなら、それはAIにとって神の領域ではなくなっており、人知越えの序章に過ぎないからである。 AIとどのように付き合い・どこまで取り入れるのか、議を尽くす時間はあまりにも少ない。