人類と ウイルス共存 昔から 人知の驕り 警鐘たらんや
通勤電車の窓外から、トウモロコシが植わっているのが見える。丈は50~60センチであろうか。浅緑の葉が瑞々しい。
その葉が幾重にも広がっている。これから夏の暑さをくぐりぬけ、9月の収穫期を迎える。豊穣の実が楽しみだ。
抗生物質は殺菌・滅菌に力を発揮する。近代細菌学は、菌を叩くことを主眼としている。そのために、ワクチンの開発をしてきた。ただし、新型コロナウイルスのように、突然変異することがある。そうなると、さらに新しいワクチンが必要となる。
話題となっている腸内細胞。この細胞は抗生物質を多用・乱用すると、息も絶え絶えになってしまう。
本来、人間の体内には100兆個もの細菌が潜んでいると言われている。その中で悪さをして病気を引き起こすのは、0.1%しかいない。別の言い方をすればその他の99.9%は、人類にとって必要だから生き残り続けていると言える。
同様に、コロナウイルスも集団免疫が獲得できれば、やがて収束に向かう。つまるところ、ウイルスをやっつけるという発想よりも、共存し、その特質を生かす方向へ舵をとっていくしかない。
今、世界中で不信と差別、分断が起こっている。賢いはずのヒトは、自らが自らを破壊している。
ウイルスの知恵に学ぶ時ではないだろうか。