「温故創新」 190719 N289 伊波喜一

待遇の 改善求め ストライキ ロボットのよう ヒト働けぬと

 ネット通販最大手の米A社の一部労働者が、15日、待遇改善を求めて6時間のストライキを起こした。ストの発端は時間あたりに荷詰めする物品数のノルマが厳しく、無理な作業で怪我をする人が後を絶たなかったからだ。そのために、会社は最低時給を15ドル(1700円)に上げた。しかしそれでも満足せず更なる時給アップを求めたという次第。時給1700円は今の日本ではかなりの高賃金だが、彼らは満足しなかった。ナゼカ? 従業員達は「私たちはロボットではない、人間だ」と語っている。衣食足りる生活は必要最低限の条件だ。だがそれだけが全てではない。人は人として正当に扱われてこそ、生き甲斐を感じる。人は誰かに必要とされていることを感じて、はじめて生きる意味を問い直す。それは取りも直さず、相手の人権を尊重するということの裏返しである。 雨の日も風の日も、太陽の照りつける日も、公園を掃き続けるシニアの男性がいる。曰く「知らない人に『お疲れ様』と言われると嬉しくて、励みになる」。人はパンのみにて生きるのではない。自らの行為を認め・励まし・価値づけてくれることを、誰しも望んでいるのだ。