「温故創新」190704 N281 伊波喜一

天の声 地の声聞くか 紫陽花の 雨に打たれて 色冴え冴えと

 突発性難聴になったのは15年前になる。朝起きると右耳がボワ~ンとしていて、耳に水が入っているかのよう。おまけに平衡感覚が保てず、まっすぐ立つのに往生する。しばらく経ってから、右耳がピーとなり、それからは蝉の鳴き声のようなピーピー音が止まない。いつでもどこでも鳴っていたので不眠状態になった。だが関心のある事に集中することで、気にならなくなった。 人は集中すると、その事だけに関心を向け・意識を集中させることが出来る。人間の脳には、元来、自分にとって必要なことをのみ取捨選択して聞き取る力が備わっている。これをカクテル・パーティー効果と呼ぶ。赤ちゃんの泣き声で体調の良し悪しを聞き分ける母親、関心のある話題について耳を傾ける若者しかりである。考えてみると、人は一生かかって関心事を追い求めているといっても良いかも知れない。 

 昨日、第25回参院選が公示された。庶民の関心と悩み、願いや夢を汲み取り、国政で代弁する代議士には、一派閥や団体の声のみを聞くのではなく、庶民の声を聞く政治家が求められる。何の為の・誰の為の政策なのか、耳を広く傾ける政治家を選んでゆきたい。