「温故創新」190613 N278 伊波喜一

毎日の 疲れたまるや 爆睡し 帳尻合わせる 睡眠負債

 梅雨に入り、陽の出ない日や雨の日は涼しい。涼しいというより、寒く感じるほどだ。ここのところの寝苦しさから解放されて、眠りも深まる。 睡眠負債は現代の病ともいうべきものである。現代人は今、眠りの質を高めるために、涙ぐましい努力をしている。適度な運動とバランスのとれた食事、アロマなどの匂いやバックグラウンドミュージックなど、眠りの追究に余念がない。考えてみると、生計や子育て、介護や年金、自然災害や環境悪化など、個人では解決しづらい課題が私達を取り巻いている。 加えて、人が人を信用出来ない社会が、ストレスを増大させている。この命に潜む不信の闇が澱(おり)のようにたまり、心を(というより命を)荒廃させてゆく。 先日、懐かしい方と明石で再会した。談たまたま、今日の世相に話題が移った。「家庭教育の手薄さが、ストレス社会を増大させている」との指摘は耳が痛い。学校や地域社会の基盤は、家庭にある。その家庭で、団らんが消えて久しい。互いの息づかいを感じながら、話に耳を傾ける。 この当たり前のことを各々が取り戻していく努力を、始めるときが来ているように思えてならない。