「温故創新」190209 N259 伊波喜一

声立てず ひらりひらりと 雪の舞う マイナス30 被害無けれと

 東京は久方ぶりの雪である。霰のような細雪に変わり、やがて降り止んだ。大雪注意の予報だっただけに、内心ホッとした。一方、北海道十勝地方の陸別では、-31.8℃を記録した。観測史上最も低い温度を記録した。想像を絶する寒さだ! その川面から立ち上がる水蒸気が冷気にふれて霧になる「けあらし」の間を、タンチョウが力強く羽ばたいていく。寒気をものともせず、寒気を切り裂いて羽ばたくその力強さに、自然の厳しさを感じる。自然と向かい合っているからこそ、厳しさも生まれてくる。現代社会が忘れているものを、野生動物たちは無言で語っているかのようだ。 私達の人生は一度きりの片道切符である。その行き着く先に何が待っているか、誰も予測出来ない。言えることは、自己責任であるということだ。全ての結果は自分自身で負うしかない。(あの時、ああだったから、こうなってしまった)といくら嘆いても、結果は元に戻せない。だからこそ、自分で考え・決断・実行する以外にないのだ。 タンチョウたちが無事に故郷のアムール川にかえれる日を、祈っている。