「温故創新」231204 N1339 伊波喜一

薬剤の 耐性菌の 拡大で 治癒力失せて 肺炎流行          

 日中は風が冷たい。日の落ちるのが早く、午後4時半前には暗い。

 中国で今、肺炎やそれに似た症状を示す子どもが急増している。中国政府は「新たな病原体は見つかっておらず、季節性の風邪が流行」とコメントしている。その中国での流行は、マイコプラズマ肺炎と言われている。これ自体は学齢期の子どもが市中感染する、一般的タイプの肺炎である。比較的症状が軽く、入院治療が必要とならない。そのため、小児科の間では「歩く肺炎」と呼ばれている。この肺炎が、耐性菌化している可能性が指摘されている。

 というのも、中国では医師の処方なしに、誰でも抗菌薬が購入できる。処方を守らずに使用した場合、通常のマイコプラズマ肺炎菌が、8歳未満の子どもに安全に使用できるマクロライド系抗菌薬に対し、耐性をもつ菌に変容している可能性が指摘されている。そうなると、強力な耐性菌が出来上がり、これまでの薬が効かなくなる。

 中国におけるマイコプラズマ肺炎の流行は、今年の初夏だった。それが、10月の国慶節で急拡大した。さらに2月の旧正月では、民族大移動の様相となるため、大拡大する危険性が一気に高まった。

 インバウンドで中国観光客が増加すればするほど、日本での拡大も懸念される。WHOは中国の査察を早急に行い、全世界に危険度をアナウンスする責務がある。同時に日本でも、うがい、手洗い、マスク着用を徹底しなくては、後の祭りである。