「温故創新」200924 N544 伊波喜一

 国連を 政争の具に してならぬ 世界で果たす 役割目指せ          

 台風12号は日本に上陸せず、関東の東を北上している。

 被害の大きさが言われていただけに、安堵している。これから収穫の時期を迎えるだけに、自然災害の少なからんことを祈るばかりだ。 

 ニューヨークでは、国連総会一般討論会が行われている。例年と異なり、今年はビデオ演説が行われている。

 中国の習近平国家主席は「2060年までに温室効果ガス排出をゼロにし、脱炭素社会の実現を目指す。コロナウイルスの大流行で、グリーン革命の必要性が明らかになった。

 人類はもはや、度重なる自然からの警告を無視することは出来ない。コロナ後の環境に優しい経済を世界全体であらためて考えると同時に、各国で協力して進めていきたい」と結んだ。 

 これに対し、グリーンピース・インターナショナルモーガン事務局長は「中国の提案は重要な兆候であり、具体的な計画に移すことが大切だ」とコメントした。 

 一方、トランプ大統領は「中国の炭素排出量は、米国の2倍である。米国はどのパリ協定参加国よりも、排出を削減した」と誇示した。 

 この発言を聞くだけでも、世界の世論が米中どちらに傾くか分かろうというものだ。

 大国の責務を自覚せず、自国第一を唱える国と世界貢献を訴える国では、描く未来像に天地ほどの差が生まれることは明白である。