「温故創新」230224 N1184 伊波喜一

元々は 赤の他人が 一つ屋根 子育てめぐり 意見調整

 結婚して互いが夫婦になり、生活を共にする。幸いに子どもを授かる。子どもは親の血を引くので血が通う。だから情も通うし、可愛い。

  一方、夫婦はどれだけ考えや習慣が似通っているからといっても、所詮、他人である。情の通わないところがあるのも、仕方がない。その分、理性を働かせないといけないが、智に働けば角が立つ。

 本来、他人同士の夫婦間で意見が対立した場合には、情に訴えられないだけに訴訟になる。

 訴訟になると、言葉で勝つのが至上命令となる。気をつけないと、言葉のあげつらいとなりかねない。子どもの親権をめぐり、骨肉の争いへと発展しかねない。子どもへの情愛が深い分、悲劇が待ち受けている。当事者同士だと、火に油を注ぐことになる。

 そうならないためには、第三者的な人の関わりが大切となる。舅や姑、兄弟や親戚が関わるのも悪くはないが、どちらかに肩入れしてしまいがちだ。

 その点、共通の友人が関わってくれるのは得難い。夫婦とも当事者である子どもとも適度な距離を保てるので、中立的な立場でいられる。

 当人同士だと激しやすくなる話題でも、適度に聞き流してくれる。それが緩衝地帯となって、双方とも頭を冷やして冷静になれる。 

 核家族化して人との関係が薄くなる中、上手に人の手を借りる知恵を取り入れてゆきたい。