「温故創新」220824 N1096 伊波喜一

反社会 団体見極め 一線を 票の欲しさに 眼曇りて    

 空が高い。雲の様子に秋の到来を感ずる。しかし、ここのところの湿度の高さはどうだろう。じっとしていても、汗が噴き出てくる。 

 「旧統一教会」をめぐって、その関係性が取り沙汰されている。旧統一教会は、その反社会性が明るみになってから、「世界平和統一家庭連合」と名称を変えた。異常な献金制度から目を背けさせるために政治家に近づき、選挙を支援する。その見返りとして、団体への批判や訴訟から目を背けさせる。

 それにしても、自民党を中心とする相当数の政治家が、団体と持ちつ持たれつの関係にある。由々しき事態である。岸田総理は旧統一教会側との接点を問われて、過去の問題点には触れず「今後は付き合わない」と答えた。果たしてこれを、答弁と呼んでいいものか。

 物事には須らく因果がある。どういう原因からその事が起きたのか。その原因を探らずして今後の抱負を述べても、説得力がない。

 政治家と団体との関わり方とその濃淡、見返りとして互いが何を得たのか。そして、被害者救済をどうしていくのか。

 少なくとも、総理はその概要をまとめ、党として総括し、一国の責任者としての矜持を示していく責任があろう。

 最後に一言。旧統一教会は、宗教に名を借りた反社会団体である。その搾取の実態を宗教に転嫁するのは、あまりにも無知である。この論理の飛躍に気づかなければ、問題の核心には到底至らない。