「温故創新」210319 N700 伊波喜一

利用する 使える物を 褐炭で 水素プラント 豪で稼働            

 日中の暖かさに気を奪われて薄着でいると、夕方から冷え込んでくる。持ち重なりがしても、やはり上から一枚はおる物が必要なようだ。

 豪州南東部ラトローブバレーで、低品位の石炭「褐炭」から水素を製造するプロジェクトのプラントの本格稼働を記念する式典が行われた。プロジェクトには同国のエネルギー企業の他に、日本からも企業が参加している。 

 褐炭は乾燥させると発火しやすく、輸送が困難である。そのため、豪州ではそのまま放置されていた。

 眠っている資源(褐炭)を蒸し焼きにして水素を取り出し、液化して輸送できれば、燃料自動車や発電などで使用できる。

 プロジェクトが商用規模となれば、年間22万5千トンのクリーンな水素を製造できる。 

 液化水素を海上輸送する船は、川崎重工が世界初の専用運搬船を製造する。

 プラントで出来た水素をマイナス253℃に冷却。体積を800分の1に縮小し、神戸の貯蔵施設まで輸送するという。 

 重化学工業における日本の技術力の蓄積は深い。資源の特性を損なわず、活かし、安全に処理する。日本らしく技術に誇りを持ち、誠実に仕事を積み上げてゆけばよい。

 プロジェクトの今後の発展を、応援してゆきたい。