「温故創新」201112 N588 伊波喜一

思いやり 持続可能な 未来をば 感染対策 環境守りて

 イチョウ並木の紅葉の散り際が早い。これから12月にかけて、一気に色づいてくる。

 記録によると、平安時代は11月から一気に紅葉が始まったとのこと。現代は地球温暖化で、12月が紅葉シーズンとなってきている。22世紀には1月に紅葉となるかも知れない。 

 第3波のコロナ感染が懸念されている。ウイルスが蔓延しやすい環境を変えない限り、この状況が繰り返される。

 例えば都市化による人口集中は、ウイルス感染を広げる。交通機関の発達も同様である。原生林を開墾して放牧し家畜化したことも、ウイルスの自然宿主を広げる結果となった。 

 こうしてみると、行き過ぎた環境破壊や文明拡大の利便性は両刃の剣である。欲望の追求は文明の発展をもたらした。それがグローバル化につながり、限りなく欲望を拡大した。 

 かつては村社会の不文律や道徳的規範、宗教的感化が、大きな影響を与えた。それらが失せた現代では、いかに欲望を抑えるかがカギとなる。 

 人は環境の中でしか生きられない。人と環境とは相互に関係している。欲望を追求するあまり環境を破壊すれば、その結果は全て人間に帰する。コロナ禍がもたらした代償はあまりに大きい。

 人類は謙虚さを求められているのだ。